街の不動産屋がインターネットを考えてみた

                 街の不動産屋がインターネットを考えてみた

今回のコラムは不動産業者向けの長文です。

 

【ネット上の〇〇駅前に5店舗、10店舗出店する】

 

第1 章 誰でもHP作れる時代が来た

1. 会社のホームページ(HP)はメインの店舗、物件のHP 

  は支店

2. 人通りの多い駅前通りに店舗を構えなくても良い

3. モノさえしっかりしていればいい

4. HPづくりは驚くほどにカンタン

5. どうしたらアクセス増やせるか?アクセス数は成約の源泉

 

第2章 不動産探しの原点を知れば、出来上がるHPはお客様のためのものとなる

1.お客様はどうやってお店に来るか・(鉄道ORネット?)

2.ネットを使って探す人はどこに住みたいかを決めている

3.不動産業でない人がHPを作るからお客様に分りづらいモノが出来てしまう現実

4.お客様の不安を解消するのもHPのチカラ

 

第3章 不動産を探している人の立場になってHPを作ればそれだけで「成約」となる

1.10枚以上出来れば15枚以上は写真を載せよう

2.不動産営業の経験をHPづくりに活かそう

3.必ず部屋の各所の寸法を載せる

4.契約書類や重要事項説明書のひな形も見られるようにする

 

第4章 安全安心・自助共助公助は行政用語ではなく住環境用語と考えた方が良い

1.安全安心の具現化がオートロック

2.HPづくりも安心安全の観点では重要(入居者も父母も安心)

3.入居者同士の関係を調整・構築するのがこれからの不動産管理業の役目

4.一度構築してしまえば、後のHP管理と物件管理はカンタン

5.HPで安全安心・自助共助公助を売りにしたHPを作る

 

第5章 お客様からの反響がないことを心配するより、反響が来るようにしていないこと

を恐れた方が良い

1.大手の不動産業者とは勝負する必要はない(入口を多くする)

2.大手の業者とは共存する選択

3.需要者としての探し手と、供給できる自分の会社を考えれば「地域密着」に帰結する

4.地域密着のHPづくりのポイント

 

第6章 ネット上の検索エンジンは「バカだ」と思うと見えてくるものがある

1.意外と簡単な理屈

2.やはりマメさが勝負のポイント(入退去などを書くことが更新と思えばよい)

3.いかにOA業者に騙されていたかに気付くとき

4.機械に勝つのは、人間性や精神性に尽きる(ローテクとハイテク)

 

第7章 まとめ

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第1章 誰でもホームページを作れる時代が来た

1.ホームページはメインの店舗

少しでも駅近の立地が、不動産業の営業的優位性を保っていた時代はもう終わっています。

インターネット(以下、ネット)上のホームページ(以下、HP)が、優秀な営業マンより、どの広告媒体よりお客様に情報を伝える方法としては優れていることが実感できるようになりなりました。ネット上のHPを店舗に置き換えると営業的にはHPの方がメインの本店となり、実際の店舗は二次的な支店的存在になっていることになまります。つまり、

不動産業にとってネット上のHPの利用は不可欠な時代になってきているということです。

 

2.人通りの多い駅前通りに店舗を構えなくても良い二次的な存在となっていしまった宅建業法上の免許を受けた不動産会社のお店舗は、言ってみれば流れのお客様以外は来ないということになり、その流れのお客さまも結局はネットで調べ確認してから気に入れば再来社することになります。

また、HPを見て問い合わせてきたお客様の優先順位は、不動産会社の立地ではなく物件そのものであり、その不動産会社が何処にあってもあまり気にしていません。そのように考えれば、駅近や駅前立地の必要は無く、まして路面の1 階でなくとも良いことになります。今風に言えば、本質的に不動産会社はサテライトオフィイスで十分な状況になりつつあるのです。

 

3.モノさえしっかりしていればいい

お客様に情報を提供する物件は、モノさえしっかりしていればお客様は反応してきます。このモノの中には、物件の質もそうですが物件の情報そのものも含まれます。

情報の提供の仕方で反応の仕方が変わることは容易に想像がつきます。また、HP作成のプロが

作るより、不動産業者が数多くの接客の経験を活かし、お客様が望んでいるしっかりとした情報を提供するHPを不動産業者自らが作成するのが一番いいに決まっているということは自明であり、一見明白です。

 

4.HPづくりは驚くほどにカンタンになった

HPなんて自分で作れないと思いこんでいる人が、殆どではないかと思います。

これまでHPを作るということは、専門の制作会社に依頼し高額な代金を支払うことが必要でした。また、チャレンジ精神旺盛な人がHP作成ソフトを使って作ったものはやはりどことなく見栄えが良くないものが多く、それでも出来あがったのならまだいい方で、殆どの人は途中で挫折し、仕方なく専門会社に依頼することになってしまう結果でした。そんな時代も何年か経ち、今や、無料でHPが借りられ、極端に言えばパソコン(以下PC)に文字入力が出来ればそれなりに見栄えのするHPをネット上に作れてしまうようになりました。

例えば、自動車を運転して目的地に行くのには、クルマの操作方法を知っているという前提条件はありますが、クルマの構造や性能を知らなくても、キーを差し込んでエンジンを掛け発車し、あとは地図通りに進めば目的地に到達します。HPの作成もこれと同じことがいえる時代になったということです。前提であるクルマの操作方法が、PCに文字が入力できるということに該当し、PC画面の指示が地図にあたることになります。

あとはその都度、信号で止まったり、右折左折、ゆっくり走ったりスピードを上げたり、操作を組

み合わせてあの道を通れば景色が綺麗だ、こっちを通れば早いと想像をたくましくして最終目的地、つまりHPの完成に至れることになります。

ちなみに「ホームページ 無料」とYAHOOでもGOOGLEでも良いですから検索してみると、そのようなサービスを提供してくれるところはヤマほどあるのに驚くと思います。

 

5.どうしたらアクセス増やせるか?アクセス数は成約の源泉

頑張ってHPを作成したとしても、お客様からのアクセス(HPを見てくれること)が無ければ意味がありません。先程のように自動車のことに例えればクルマは買ったけどナンバーが付いていなと道路は走れません。陸運局に登録してはじめて走れるのと同様に、検索エンジン(yahoo やgoogle)にURL(HPのアドレス)を登録し覚えさせる必要があります。

検索エンジンという機械はバカだからURLを教えてやらないと、いつまで経っても認識できないのです。具体的には、作成した自社のHP偶然に見るということは殆どありません。では、どうしてそのHPを見ること見つけることが出来るのでしょうか?

客様の多くは、いわゆるYAHOOとかGOOGLEで「検索」をした結果、「このページ

に何かありそう…」ということで見てもらえることになるのです。また、アクセスを上げる方法についてはいろいろな方法がネット上にあふれていますからそれを調べてみるのも良いでしょう。このコツについては第6章で述べます。HPへのアクセスが伸すことが最終の目標ではなく、アクセス後、メールや電話で問い合わせてもらえることが目的です。

しかし、アクセスが無ければ問い合わせもないことも事実です。結果、先ずは、アクセスを増やす方法をいろいろ考えることが必要となるわけです。

ここで、余談ですが経験上メールの反響より電話での反響が多いということを感じています。ネットでHPを見て電話で問い合わせてくる、なんか変な感じがするのですがこれが実態です。つまり、結果としてハイテクとローテクの組み合わせになっているのです。

当は、ネットやHP、またPCのことは意外とここにポイントがあるように思います。

 

第2章 不動産探しの原点を知れば、出来上がるHPはお客様のためのものとなる

 

1.お客様はどうやってお店に来るか

物件探しをする人たちは、一昔二昔前はこの街に住もうと決めて最寄りの駅に降り立ち、駅近くの不動産業者をまわり店頭の張り紙を見て良さそうなのがあれば店内に入り説明そして案内を受けていました。この張り紙が、現在はHPに代わっただけで物件探しの本質的な要素は変わっていません。ただ、その駅の不動産業者に出向くことなく、自宅や仕事場でその不動産業者の店頭の張り紙を見られるようになっただけです。

そして、実際の張り紙より詳しい物件の様子が掴めるようになったということなのです。つまり、店内に入り説明を受けるくらい迄の段階までHPで用が足りるようになったということがいえます。

昔は、電車で最寄駅まで来て不動産業者まわりましたが、現在はネットで住みたい駅で検索すれば居ながらにして、また、どこにいても物件が探せるようになったので、電車やバスではなくネットでそのHPからお客様はやってくるようになったのです。

 

2.ネットを使って探す人はどこに住みたいかを決めている

お勤めはどちらですか?大学はどちらまでお通いになりますか?と聞かなくても探す方が会社はここだからそこの駅が便利そうだ、大学はあの駅だからこの駅かその隣の駅だと探す方が決めて、ネットで探すのが今風の物件の探し方になってきています。

まして、ネットの地図で地理感覚も備え、ストリートビューで目指すところの雰囲気、物件が特定できる場合は建物外観まで確認できるのですから、極端に言えばその物件の設備や特徴を丁寧にしっかりとHPでピアールすれば良いことになります。

 

3. 不動産業でない人がHPを作るからお客様に分りづらいモノが出来てしまう現実

パン屋さんには、焼き方だったりその時間のかけ方だったり、パンのことはパン屋さんにしか分からないことがあります。

また、魚のことは魚屋さんにしか分からないこともあるでしょう。不動産屋さんにしか分からないことも当然にあります。しかし、人に聞かれるとそのことを思い出さなかったり忘れてしまっていたり、HP作成のプロに任せたときに言い忘れたりすることもあります。

そんな時自分でHPを作れればいつでも思い出した時にそのことを修正して載せることが出来ます。その繰り返しをして、何時かその会社の特徴的なものが出てくるようになるのです。不動産のHPは、その業者がお客様のことを考えて作成するのが一番良いし、その会社らしいものが出来上がるということがいえます。

 

4.お客様の不安を解消するのもHPのチカラ

よく不動産会社のお店は入りづらいというようなことが言われます。また、フランチャイズ展開をしているCentury21 などは、先ずもってその「入りやすい店舗づくり」に着目し腐心をするわけです。そうであれば、HPに店舗内の様子など写真を使って紹介してしまうことも有効です。

接客スペースの写真を載せれば「あそこに自分が座って説明を受けるんだな…」、そこに座ると「お店の中の様子はこんな風に見えるのか…」というようにお客様目線で紹介するのが良いと思います。事前に店内の様子を教えて、入りづらさのハードルを下げてしまうことです。

また、他のお店には無いだろう思われるものを紹介するのも面白いと思います。例えば、飼っている熱帯魚とか、店内の観葉植物の紹介でもいいでしょう。不安や戸惑いをHPで解消し、安心安全な雰囲気をこんなところから感じてもらえるようにすることが出来るわけです。入りやすい店づくりの改装工事をするよりも、店内の様子をあらかじめ知ってもらう方が安く済むということになります。

 

第3章 不動産を探している人の立場になってHPを作ればそれだけで「成約」となる

 

1.10枚以上出来れば15枚以上は写真を載せよう

ある意味HPは、会社や商品(物件)のカタログやパンフレットだと考えるべきでしょう。写真の載っていないパンフレットを探すのは難しいものです。パンフレットを見てその商品をイメージできなければ意味がありません。そう言ったことを考えれば、イメージし易くするために写真はなるべく多く載せた方が良いことになります。

ちなみに、建物の写真を撮るときは、よく晴れた日の午前10時半頃から11時半頃の間に撮ると綺麗な写真が撮れるようです。また、建物は正面からではなく少しハズして斜めから撮るとボリューム感が出ます。また、今はデジタルカメラなので何枚も撮れるので、少しづつ角度を変えてなるべく多くの写真を撮り、パソコンに落としこんでから峻別して良いものを選ぶようにすると、思いもかけないような良い写真が撮れていることがあるものです。

 

2.不動産営業の経験をHPづくりに活かそう

不動産営業の基本は、お客様の「不安の解消」ではないでしょうか。写真もそうですが、その部屋での生活者の動線を意識した動画を活用するのも一つの有効な手段です。また、どんな人が接客してくれるのかあらかじめ分かると安心できるかもしれません。

そして、その人の趣味とか人となりやプロフィールなどもお知らせするのも良いかもしれません。

また、営業手段として「まわし物件」というようなやり方をHP上でやるのも良いかもしれません。いつでも決められるような物件は載せずに、決めたい物件だけを載せるなんて言う方法も考えられますが、これまでの経験をネット上で試行してみることも意外と有効かもしれません。それが出来るのが「自分たちで作るHP」ということになります。

 

3.必ず部屋の各所の寸法を載せる

これまでHPを作ってみた中で、大変喜ばれたのが部屋の中の各所の寸法を写真に記入して載せたことでした。これは喜んでいただいたこともありますが、結果として、こちらが助かった言うこともあります。寸法を測りたいのでもう一度カギを開けて下さいということが無くなり、労力が軽減されたことでした。また、ゴミの出し方なども市役所のHP へリンクしておくと、引っ越してきた時のごみなどの処理に役立ちます。何よりも日常のことなので必要なことでもあります。また、LPガスの場合のガス会社や東電そして水道局などのへのリンクも欠かせません。

 

4. 契約書類や重要事項説明書のひな形も見られるようにする

そのアパート・マンションで使用する契約書・重説などの雛形を載せるのも、契約行為がスムースに運ぶ助けになると思います。また、契約時に必要な資金の明細なども必要な事項ですし、持参してもらうものなどのリストも良いと思います。

 

第4章 安全安心・自助共助公助は行政用語ではなく住環境用語と考えた方が良い

 

1.安全安心の具現化がオートロック

最近の新しい物件は、オートロックを備えた物件が多くなりました。

これも入居者の安全安心を満足させる一つの流れであると考えられます。しかしこれとても、入居者が帰宅するのを待って、オートロックが解除されたときに一緒に館内に入ってしまうことは可能です。

何事も100%ということはありません。オートロックにプラス防犯カメラを設置したりして安全性を高める努力はしなければなりません。

しかし、それでも危険なケースは、まだまだまだあります。実際にあった事例ですが、ベランダに干した下着が盗まれたということで、防犯カメラを設置したところ、やはりまた盗まれた。今度はベランダとフェンスの間にそこを歩くと音のする砂利を敷いてみたら、それでも数日後にまた被害が出た。

今度はということで、全長にわたりフェンスに有刺鉄線を施したところ、その後は一切被害が無くなったということでした。有刺鉄線を設置するということは、ハイテクではなくかなりローテクな発想ですが実際には効果抜群という事例です。防犯カメラと有刺鉄線、つまりハイテクとローテクの合わせ技が有効だったということになります。そんなところをHPで紹介することも、入居者を集める方法の一つになると思います。

 

2.HPづくりも安心安全の観点では重要

綜合警備保障(ALSOK)という会社があります、当社は特約店の契約を結んでいますが、面白い商品をALSOKでは取り扱っています。実は、これが意外と優れものなのです。

当社のHPでは、これも載せています。若い学生本人はあまり関心がないようですが、地方にいるお父様お母様には評価が高いのです。それはサッシの補助錠なのですが、当社のHPを見て「あの補助錠を娘が住んでいる部屋にもつけて欲しい、お金はお支払いします」という連絡を頂くことが良くあります。HPを作るようになって自分の子供が住んでいるマンションのHPを見てくださっている成果ということがよく分ります。その物件の専門HPを作ることは本人だけではなく、その連帯保証人さんのお父様お母様にも安心していただける情報を提供していることとなるようです。

また、HP内のブログを更新することは、検索エンジンから見ればそのHPが「活きている、活動中」ということになり、注目の対象になります。また、〇○号室が退去します、その部屋は〇日から内見が可能です、そして〇日に申し込みが入りました、〇日に契約が終わりました、〇日に入居がありましたということをその都度書くことにより、HPの更新がなされたと検索エンジンの方では感知するわけなので文章能力を要求されず、事実関係だけを打ち込めばいいということを多くの人は知らないようです。マメに更新することの大変さを思い、適当に事実だけをコンスタントに書くことによる安易で簡便な方法を知らない人が多すぎることを申し上げたいのです。ものごとは、意外と簡単な理屈で成り立っています。ネット・PC・HPの理屈も同じです。バカじゃ出来ないけども、利口じゃやらないというような世界です。利口じゃ稼げないが、バカにならないと稼げないというように相反するところが分れば見えてくるものがあります。ハイテクとローテクの関係も同じです。

入居者よりも連帯保証人さん、お父さんお母さんにお子さんの今の安心安全を伝えることが重要です。それは「今は、何もない、今日無事」ということだけ伝えられればいいのではないかと思います。

 

3.入居者同士の関係を調整・構築するのがこれからの不動産管理業の役目これもネットそしてHPの開設により解消される可能性が大きいです。つまり、入居者と管理会社が相互にメール等で時間に関係なく連絡が取れ、入居者は深夜でも連絡事項を発信することができ、管理会社もそれを受けいつでも回答できるというメリットがあります。

その他に、ゴミの出し方の注意点や最近こんなことがありましたという注意喚起にも役立てることが出来ます。その積み重ねにより安全安心な住環境の構築の一助になり、注意喚起により自分が何をすれば良いかが分り、自助共助の意志が芽生え管理上もより良い形が入居者から作り上げられる可能性があります。その物件のHPの最大のメリットは、連絡・報告・相談といった「ほうれんそう」が出来るということにあります。管理会社といてはこれを利用しない手はないと思います。

 

4.一度構築してしまえば、後のHP管理と物件管理はカンタン

ランを組んでいる事業所も多いと思いますが、これも単独のPC動作よりもデータの共有が出来る方が良いとうことでそうしていると思います。

これとてもOA業者の仕事を作っているようなもので、実は単独のPC動作でもプリンターは1台で済ませられるし、USBメモリーの使い方次第では情報の共有は出来るものです。ましてメールを有効に使うと同じように共有の効果は十分に利益享受できます。当社が利用しているHPでも「隠しペ

ージ」というものが可能ですから、教えたい人だけにそのURLをメールで送り見ていただくということが出来ます。それぞれのアイテムをロ-テクと考え、それを組み合わせてハイテクと同様な効果を享受することが出来るのです。つまり、ハイテクというのはローテクの集大成ということがわかります。逆に言えば、ローテクを組み合わせればハイテクと同じ効果が得られるということになるわけです。そういう組み合わせでHPを作っていけば、物件管理も募集行為も意のままに他にない形で構築でき、その後は個別具体的に合わせて少しづつ修正をすればいいだけになります。

もっとも、最初の形を作るのが大変なのですがなんでもそれは同じことです。口説くのは大変ですが、口説いた後はカンタンな話と同じで、その後は、更新をするだけです。釣った魚にも、餌はあげないといけません。

 

5.HPで安全安心・自助共助公助を売りにしたHPを作る

賃貸住宅の情報を提供する側としての安全安心の概念は、理解いただけたとは思いますが、自助共助とはなんでしょう。この言葉を行政が使い始めたのは、東日本大震災前後です。

では、それがなぜ一般にも使われ始めたかというと安全安心を確保するには自分達だけのチカラでは無理だということが分かったからです。つまり、言い換えると行政だけでは無理だから国民・都民・市民のみなさんも協力を頂きたいというのが本音なのです。官僚や行政マンは優秀ですからその考え方を浸透させるための努力は続けるでしょう。そして、浸透したときには、「へェ~、そうなんだぁ…」と言っているようでは遅いということが言えるのです。

賃貸住宅つまり、集合住宅における自助・共助・公助というものをHPを通じてアピールする、構築することが管理上大切になってくるし、そう云う意識を持った住人が多い賃貸アパート・マンションが人気物件になるだろうことも明らかです。それを作る方法の一つが、物件ごとのHPであることはフェイスブック(友達関係には実名であからさまなやり取りが出来る)のようなものを見てもお分かりになる通りです。

 

第5章 お客様からの反響がないことを心配するより、反響が来るようにしていないことを恐れた方が良い

 

1. 大手の不動産業者とは勝負する必要はない(入口を多くする)大手業者さんは、資金量も豊富でネット広告関係に資金をつぎ込むことが出来ますが、中小零細業者はなかなか難しいところがあります。それよりも、ネットやPCの知識を兼ね備えた人材が少ないことが大きな問題です。しかし、平易な用語を使って具体的に不動産会社の立場に立って人材を育てくれるようなIT企業はありません。よって、自らの仕事的経験をネット上で表現できるようになるためには、かなりの試行錯誤が必要となります。

その一方で「割り切り」というものも必要となってきます。

大手と対抗するのではなく、自らが物件管理する地域に限定し、会社紹介用のHP、地域内管理物件専用HPを複数作成することが有効であると考えます。一般的には、会社のHPを作りそれでネット上に情報を公開していると思っているケースが殆どです。狭い地域の小さな会社の小さなHP(相

互リンクもなく単独で存在している)などは、検索エンジンにも引っ掛りません。

ただ埋もれているだけの存在ですから、反響も当然ありません。そこで、相互リンクを増やすた

めに自ら複数のHPを立ち上げ、それぞれにリンクを張りあいどのHPからも他のHPに飛べるようにすれば、他社に相互リンクの依頼をしなくても自前で20や30の相互リンクが獲得できます。結果として検索エンジンにも認知されることにもなります。何よりも、お客様から見れば入口が多くあるわけですから、知らないうちに気づかないうちに自然とその会社の物件にたどり着いてしまうことになります。一つの入口より二つの入り口、二つより三つの入り口があった方が多くの人に来てもらえということがいえます。

 

2.大手の業者とは共存する選択

物件ごとの HPを作ってみて分かったことがありましたので、それを書いてみたいと思います。物件の間取りや条件などは一通りのことを載せますが、管理会社の説明は面倒になり会社のHPへリンク張って済ませました。そしたらどうなったかと言いますと、家主さんがそれを見て先ず喜んでくれました。そして、それまで頂いていなかった管理料を払ってくれるようになりました。

また、HPを見た客付け業者から連絡があり「紹介させてもらっても良いですか?」ということで、どうやら家主が作ったHPと勘違いしたようです。結局は、その業者はお客様にHPを見せて説明をしたようで申し込みを頂きました。大手客付け業者は支店と考えて共助の関係、家主さんにはヨイショで良い関係が築けた結果でした。

 

3.需要者としての探し手と、供給できる自分の会社を考えれば「地域密着」に帰結する

探し手つまりお客様は、全国どこからもネット上のHPを見ることが出来ます。つまりその地域だけに住んでいる人を対象にしているわけではありませんから、ネットというものは不動産業者にとって営業的には大変有効な方法です。また、客付け業者は多店舗展開での信頼信用を確保し、ヴァリューを上げて集客を図ろうとしています。

つまり、大手客付け業者の営業の源泉はお客様の数ということです。では、地元の業者の営業の源泉は物件ということになりますが、だからと言って東京全体・全国にわたって管理をすることは出来ません。現実的には結果として一定の管理物件のエリアを形成し、限定しているわけではないにしろそういう姿になっているものです。また、地域密着に結果としてなるのであれば、始めからそれを目指すのが正解であるといことになります。その地域に住みたいとい人の為に、探しやすい状況、つまりネット上に営業地域を前面に出したいくつもの店舗(HP)を作っておくことで、地域密着がネット上でも完成することになります。現実の世界でも、仮想の世界でも地元の業者になることが求められる時代が来ていると思います。

 

4.地域密着のHPづくりのポイント

地域密着のHPづくりといっても、○○市内の物件専用HPを数個作るだけで十分にネット上では関連性が生じます。例えばA駅が最寄り駅の物件のHPを〇〇マンション、△△マンション、××マンションとHPを3個作ったとしたときに、探し手のお客様がYAHOOで「A駅 賃貸マンション」と検索したとすると、検索順位1番目に○○マンション、2番目に△△マンション、3番目に××マンション表示されれば最高の効果となるわけです。

無理かも知れませんが、究極的には「A駅 賃貸マンション」の検索で1番から10番までを占めることが出来れば、スーモもアットホームも必要が無くなるということです。

 

第6章 ネット上の検索エンジンは「バカだ」と思うと見えてくるものがある

 

1.意外と簡単な理屈

SEO 対策で「アルゴリズム」と言えば、Google をはじめとする検索エンジンが検索結果でWEB ページにランキング付けをするための計算に用いられるランキングアルゴリズムを指

すことがほとんどです。また、SEO 対策とは「SearchEngine Optimization」の略で、「検索エンジン最適化」という意味です。 つまり、Google やYahoo などの検索エンジン(検索

サイト)で、特定のキーワードで検索した際に上位に表示されるための対策のことです。

つまり、アルゴリズムを理解してSEO 対策をすれば検索結果の上位表示は可能ということになります。Google やYahoo などの検索エンジンアルゴリズムの習性は、いろいろ調べてみたり実際にやってみた結果、外部リンク(相互)内部リンクの多さです。

更によく言われるものに更新が一定程度の時間(例えば1週間に一度など)必ず行われていることです。

よく「ブログなど始めると良いよ…」ということを聞きますが、これもいわゆる「HPを更新した」と検索エンジンが判断するからです。そのことで「このHPは生きいてるな、活動的だ」と判断しているのです。リンクについては、独立したHPどうしがお互いに双方向でリンクすること(相互リンク)で関連を持っているということでポイントが高くなるようです。このあたりが分かってしまえば、あとはそれに沿って作り込むだけです。

 

2.やはりマメさが勝負のポイント(入退去などを書くことが更新と思えばよい)

更新をする、ブログを書くことで更新した効果が表れるとしたら、マメさが勝負になりますがそれも必要が無いと思います。毎日毎日何を書こうか悩むようでは、日常の仕事もおろそかになってしまいます。なにを書くか悩むより仕事をした方が良いのです。

その物件のHPでは、入退去のお知らせや、近くで何とかの工事がありますとか、お知らせ的にな

んでもよいのです。やはりそれを仕事と考えて、マメに取り組むことです。

 

3.いかにOA業者に騙されていたかに気付くとき

4―4でも書きましたがハイテクとローテクを組み合わせることが、初心者にとって入り込みやすいものです。しかし、この原理は意外に普遍的なものだと思っています。お互いに相反するものが組み合わさると、全く別な優れたものが生じ良い効果が出せるものです。

しかし、OA機器販売会社は、この形が便利です、新しく出たこの機器ならこんなに便利です、やれ今度はこれだと売り込みを掛けられ、気が付いてみると結構な金額のリース代を払っていることに気が付くわけです。PCは、持ち運びをして営業に役立てる仕事であればノート型・タブレット型も必要でしょう。しかしそうでない職種は、そういうものは必要ありません。おもちゃとして買って喜んでいる場合はそれで良いのですが、デスクトップ型のPCの方が操作も楽で見やすく、容量も大きくて長く使えるものです。

 

4.機械に勝つのは、人間性や精神性に尽きる(ローテクとハイテク)

PCにしても、検索エンジンにしても所詮は機械であり仕組みは人間が作ったもので、規則正しい法則で動いています。その本質が分かってしまえば、人間の扱いより簡単ということが言えます。

ただ、複雑な仕組みということもありますが、これも「いろいろな要素の組み合わせ」と考えれば、既出のハイテク&ローテクの考え方で理解が出来ることになります。

機械そのものに対するものもこのような考え方ですが、現実の仕事も同じことが言えるわけです。ネットにHPも作って、物件の現場にも募集看板を出すことも現実的には必要となります、そこでローテク的な発想が必要になってくるのです。物件に貼る募集看板の中に「〇〇マンション 〇〇〇号室」で検索!という表示をすることこれが重要なことです。

これでそこを通りかかった人が、〇〇マンションの資料がその場で、また帰宅してから見ることが出来るという訳です。何事も組み合わせということになりますが、機械にはこが出来ません。

 

第7章 まとめ

いろいろとランダムに書きましたが、日々進化する高度なパソコンの機能や技術は分りづらいものですが、本質を理解することで高度と思えるものも「元はこういうことか…」と比較的簡単に理解が出来るものです。

昔から不動産業者は、店頭に物件の内容を書いたものを掲示しているのが普通でした。今でこそ写真や間取りを載せた張り紙していますが、それと同じことをネット上ですれば良いことです。

ネット上に出店したお店(HP)にも物件の張り紙をするということが必要で、そのネット上のお店は現実のお店よりもっと詳しい情報を載せられるということが可能なのです。現実のお店では、一つの物件を紹介した新聞紙くらいの大きな紙を何枚も貼れることができませんが、ネット上のHPではそれは可能です。

しかも、その枚数に制限がないという驚きの世界です。また、考え方としてネット上のA駅の駅前に、管理している物件の数だけ支店の数を出せる可能性があるのが、地元の業者であり地域密着の不動産業者の強みなのです。東京の地場の業者が、この方法をやり始めたら、そして全国の元付業者が始めたらどうなるでしょう。答えは、すぐに解ります。