土地は“形”より“地名”を見ろ!

               土地は“形”より“地名”を見ろ!不動産のプロが教える都市伝説

不動産選びで「土地の形」はとても気になる要素ですよね。

整った四角形、南向き、間口の広さ……もちろん大切です。

けれども、私が声を大にして伝えたいのは、「形以上に“地名”が重要だ」ということ。

これは不動産のプロしか知らない、ある意味“都市伝説”のような話かもしれません。

今回はその理由を、実際の事例やプロの視点を交えて、分かりやすく解説します。

 

「えっ、地名ってそんなに大事なの?」

はい、大事なんです。なぜなら地名には、その土地の歴史・地盤・水害リスク・価値の変遷が刻まれているからです。

まず「〇〇ヶ丘」「〇〇台」といった名前。こうした地名は高台にあることが多く、地盤が安定しているケースが多い。逆に、「〇〇川」「〇〇池」「〇〇沼」といった名前が含まれている地名は、過去に水辺だった可能性が高いのです。

たとえば、東京都内でも「池袋」や「沼袋」という地名がありますが、これらは過去に湿地や沼地だった場所です。つまり、液状化リスク水害リスクが相対的に高くなることがあるのです。

 

地名が「災害リスク」を物語っている!?

不動産の購入を検討する人の多くは、ハザードマップを見ると思いますが、それだけでは不十分なことがあります。なぜなら、ハザードマップは“予測”であり、地名は“過去の証拠”だからです。

たとえば「蛇崩(じゃくずれ)」という東京都目黒区の地名。字面だけでもちょっと怖いですよね。このエリアは、かつて崖崩れや土砂災害が起こりやすかった場所という由来があります。地形そのものは都市開発で整えられていますが、地盤の弱さは今も根本的には変わっていません。

つまり、地名を調べることは「その土地の履歴書を読む」ようなものなのです。

 

地名によって資産価値が変わる?

さらに驚くべきことに、同じエリアでも地名の響きによって資産価値が変わることがあります。

たとえば「成城」と「喜多見」は、どちらも東京都世田谷区に属していますが、ブランドイメージに大きな差があります。「成城」という響きは、高級住宅地という印象が強く、実際に地価も高い。一方で「喜多見」はやや庶民的なイメージがあり、価格帯も抑えめです。

このように、地名は購入時だけでなく、「将来売るとき」のことまで左右するのです。

 

地名を見る時のチェックポイント

では、実際に地名を見る際にどこに注目すればよいのでしょうか?以下のチェックポイントを参考にしてみてください。

  1. 地名に「川」「沼」「池」「谷」が含まれていないか?  → 過去の地形を暗示。     水害リスク・地盤の弱さに注意。

  2. 「台」「丘」「山」などが含まれているか?  → 高台・地盤が強い可能性が高い。但し、土地の切り盛り注意が必要。特に盛り土のところ。

  3. 古地図や明治時代の地名を調べてみる  → 現在の地名と過去の地形にズレがないか確認。

  4. 自治体の地盤調査データや災害履歴も参考にする  → 地名+実際のデータで信ぴょう性アップ。

 

まとめ:地名は“過去”を語り、“未来”を守るカギになる

土地の形が良くても、水害リスクが高ければ安心して暮らせません。

逆に、ちょっと形が悪くても、地盤がしっかりしていて、災害リスクが低く、かつ将来的な資産価値が期待できるなら、十分「買い」なのです。

だからこそ、不動産選びでは「地名」に注目してみてください。

 

この都市伝説のような話、じつはプロの間では常識です。ぜひ皆さんも、不動産を選ぶときに“地名”の意味を深く読み解いてみてください。